オーディオファイル (audiophile)

カーオーディオの間口を広げもっと楽しく！

それまでも気鋭のインストーラーとしてイベントなどでも知られた存在であった吉田さんが『オーディオファイル』を創業したのは2001年のことになります。店名の”ファイル”は”Phile”、つまりオーディオ愛好家を指し、当時はまだ馴染みの薄かったこの言葉の新鮮さと響きも気に入って名付けられました。店舗は東関東自動車道・富里ICから2km足らずの国道296号沿いにあり、成田空港のすぐ近く。なかにはクルマを預けて旅行に出かけ、その帰りに受け取るお客さんもいるそうです。

専門店と聞くと限定的なイメージがありますが、同店はもっと間口の広いショップと捉えたほうがしっくりきます。

「オーディオに関する仕事ならなんでもやりたいという思いが当店を始めた動機でもあります。外向き、SPL、ハイファイと遊び方や楽しみ方は千差万別です。最終的には音質にたどり着くことが多いのですが、そこに至る過程や入り口は色々あっていいと思うんです。見た目から入るのも全然アリだしお客様がやりたいことを尊重し、遠回りせずに実現するためのお手伝いをしたいと考えています。」

リーズナブルにスピーカー交換をしたいというユーザーには66セットや99セットが人気です。工賃込みのお得なプランですがスピーカーは数種類のなかから選択できます。どれを選べばいいかわからないという初心者でも心配はいりません。

「専門店はいわばセレクトショップのようなものです。安価なユニットでも品質や性能をしっかり見極めてチョイスしたものです。試聴の際にはお客様が聴かれる音楽から傾向をつかんだうえで2機種くらいに候補を絞り込み、できるだけシンプルな形で聴き比べていただくようにしています。」

取り付け作業においてもプロならではの気配りが行き届いています。

「配線の接点を極力少なくすることは音質面でも利点がありますが、トラブルの可能性も減らすことができます。また十分な強度を持った取り付けは異音を防ぎ快適性にもつながります。音を良くするのは当たり前の話で、そのうえで耐久性や実用性まで気を巡らせて作業に取り組んでいます。」

吉田さんは工具へのこだわりが強くもはやマニアと言っていいほど。空調完備のピットにレーザー加工機やパネルソーといった充実の機材を揃えた作業環境はある意味趣味が反映されているのですが、それは作業のクオリティーをさらに高めしっかりとユーザーに還元されていくのです。

(2020.07取材）