【スペシャル・インタビュー#2】“GROUND ZERO”の音、そして未来像とは・・・
September 6, 2018
GROUND ZERO社のアジア担当セールスディレクターであるPeter Flodkvist氏にインタビューしました。
“グラウンドゼロ”という名のカーオーディオブランドをご存知だろうか。
1995年にドイツのフランクフルトにて創業し、1997年には革新的なサブウーファーの開発に成功。そして2003年に社名を現在の“GROUND ZERO”に変え、今日では開発・製造する製品を世界50か国以上に届けている一大メーカーだ。
その“GROUND ZERO”のセールスディレクター(アジア担当)であるPeter Flodkvist氏へのインタビュー取材が実現した。日時は2018年の4月10日。静岡県駿東郡清水町にて開催された『イースセミナー&ショー2018』に登壇すべく来日していた氏に、“GROUND ZERO”のサウンドの特長、理念、そして将来のビジョンについて、じっくりと聞いてきた。
★「同価格帯の製品の中で、ベストなパフォーマンスを発揮できるように…」
“GROUND ZERO”は、日本のカーオーディオシーンにおいては実は、新進気鋭のブランドである。日本初上陸を果たしたのは、2013年の春。それからまだ5年しか経過していない。しかし今や、愛好家の間での認知度は相当に高い。“GROUND ZERO”の正規輸入代理店である“イース・コーポレーションが毎年年末に発表している取り扱い製品の実売ランキング『CAOTY(カーオーディオオブザイヤー)』でも、“GROUND ZERO”は看板ブランド“Rockford Fosgate”に次ぐポジションを確保している。同社の取り扱いブランド数は約30。その中で堂々たる結果を残すほどにまで支持が広がっている、というわけだ。
そうなった理由はズバリ、“コスパが高いから”だ。そのことが口コミで広まり、年々愛用者が増加した。
さて、まずはPeter Flodkvist氏に、“GROUND ZERO”製品のコスパが高いその理由から教えてもらった。
「“GROUND ZERO”の各製品は、同価格帯のモデルの中でベストなパフォーマンスを発揮することを目指して作られています。例えリーズナブルな製品であっても、高級機に迫るサウンドクオリティを発揮させたいと考えているんです。低コストで高性能なユニットを作り出すことは簡単ではありませんが、“GROUND ZERO”ではそれができていると自負しています。そして中級機でもハイエンド機でも、それぞれでより良い音を提供できるように。日本の愛好家の方々にも、そこが認めていただけているのなら嬉しいですね」
★「生き生きとダイナミックに音楽を再現することを目指す」
続いてもストレートな質問をぶつけてみた。Peter Flodkvist氏がイメージする“GROUND ZERO”のサウンドとはどのようなものなのかを聞いてみた。
「当社は、特長的なサブウーファーの開発に成功したことでその名を世界に知らしめることができました。なので、クオリティ高く低音を再生することに特にこだわりを持っています。音楽の土台となる低音が充実していて、その上に中・高音が積み上がり、結果、生き生きとダイナミックに音楽が再現される。これが私のイメージしている“GROUND ZERO”サウンドです。また、歪みやノイズがないことも、“GROUND ZERO”サウンドの特長です。近年では“クラスD”のパワーアンプ開発において特に、ノイズ対策が徹底されています。ひと昔前は、フルレンジをハイクオリティに再生できる“クラスD”のパワーアンプはありませんでしたが、当社はその開発にもいち早く取り組み、今では、超小型でありながらハイパワー・ハイクオリティな“クラスD”パワーアンプも作り出せています」
日本のカーオーディオ市場でも、超小型パワーアンプのニーズは顕著に上昇しているところだが、“GROUND ZERO”の超小型“クラスD”パワーアンプ『Microシリーズ』は、その中にあって特に鮮烈な光を放っている。同シリーズは“GROUND ZERO”の現行ラインナップ中でも格別な自信作だった、というわけだ。
★「簡単取り付けが可能な“プラグ&プレイ”製品の充実も重要なテーマの1つ」
“クラスD”パワーアンプ以外では、特に力を入れている製品はあるのだろうか。
「“プラグ&プレイ”製品の開発にも、特に力を入れています。“プラグ&プレイ”製品とは、“簡単に取り付けられる”製品のことを指しています。ところで、カーオーディオにおける新しい潮流は北米から発信されることが多かったのですが、“プラグ&プレイ”製品へのニーズはヨーロッパから起こっていて、その開発もヨーロッパのブランドが先導しています。“GROUND ZERO”でも、メルセデス-ベンツ、BMW、トヨタ、レクサス等々の車種専用の“プラグ&プレイ”アイテムを充実させることができています。そして今後は、グレード的なバリエーショも増やしていきたいと考えています。手頃な製品はもちろん、ミドルグレード、そしてハイエンドな“プラグ&プレイ”モデルも出したいですね。今後の展開にご注目ください。また、“DSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)”開発も、重要なテーマの1つです。高度なサウンドチューニング機能を欲する声も年々高まっていて、それに応えるべく“単体DSP”である『GZDSP 6-8X』や、新機軸な“パワーアンプ内蔵DSP”『GZDSP 4.80AMP』を登場させました。さらに優秀な“DSP”の開発にも、継続的に取り組んでいるところです」
★「お客様との関係を密に。家族のような近い存在でありたい」
今後についての展望を、さらに詳しく教えてもらった。まずは全体的なことから聞いた。ラインナップは今後も増えていく傾向にあるのか否か…。
「個人的には、現状の製品ラインナップは多過ぎると思っています(笑)。覚えなければならないことも多いですから大変です(笑)。でも、世界中の“GROUND ZERO”ファンのニーズにきめ細やかに対応したいと思っていますので、自ずとラインナップは増えていきます。“GROUND ZERO”は、お客様との関係を密にしたいと考えています。家族のような近い存在でありたいと。今後もその理念が変わることはありません。従って製品数が増えることこそあれ、減ることはないでしょうね」
ところで“GROUND ZERO”は、“スーパーハイエンド”と定義される超高級なモデルも擁している。さらなる“スーパー”な製品の登場の可能性につても聞いてみた。
「今ある製品以上のものも、登場させてみたいですね。最高の音を目指す取り組みも、続けていくべきだと思うんです。他ブランドとも切磋琢磨しながら。そうすることで技術力が高まっていきます。そしてその技術力は、ミドルクラス、エントリークラスの製品にも落とし込めます。トップエンド製品への注力が、ブランド全体のクオリティアップの鍵ともなるんです。
“GROUND ZERO”は前進し続けます。これからも魅力的な製品をどしどしリリースしていきたいと思っています。今後の“GROUND ZERO”にも、ぜひともご期待ください」
Peter Flodkvist氏から聞いた話は以上だ。“GROUND ZERO”が今何を目指していて、そして今後どのような方向に向かおうとしているのか、その一端を知ることができた。
“GROUND ZERO”からは引き続き、いろいろな価値を携えた有益な新製品が続々と登場し続けることだろう。初級者も上級者も、“GROUND ZERO”の動向から、目を離すことのなきように。
◆ブランド情報