実践的カーオーディオ講座Part.2『フロントスピーカー』のインストール学大研究!その3

February 27, 2018

続いては、ドアにスピーカーをつけるときのもう1つのスタイルである『アウターバッフル』について解説していく。音のことを考えれば、『アウターバッフル』が絶対に有利だ。有利であり理由や、これを行う上での注意点までをじっくりと解説していく。

 

Section03 「アウターバッフル」で高音質に鳴らす!

 

メリットは1つに集約される。音が良い、これに尽きる!

『アウターバッフル』とは、スピーカーの取り付け面を、内張りパネル面まで立ち上げて取り付けるスタイルのことを指す言葉だ。なお、『インナーバッフル』とは取り付けパーツの名称なのだが、『アウターバッフル』は具体的なパーツの名称ではない。内張りパネルにスピーカーが見えている状態のことがこう呼ばれている。『バッフル』を省いて『アウター』と呼ばれることも多い。
構造的には、『インナーバッフル』の発展形と言って良いだろう。『インナーバッフル』でもスピーカーを立ち上げるのだが、その立ち上げ量を増やして、スピーカーを見えるところまで持ってくるのである。
さて、『アウターバッフル』のメリットとは・・・。メリットは1つに集約される。それは、「音が良いこと」。スピーカーから発せられる音を、ダイレクトに車室内に届けられるので、ロスがない。そして、スピーカーから発せられる音が内張りパネル内に入り込むこともないので、内張りパネルをビビらせる心配も減る。
プロショップの手にかかれば、『インナーバッフル』であってもスピーカーの性能を存分に引き出せるのだが、『アウターバッフル』にすれば、それ以上の高音質が狙えることは、間違いないのだ。

 

製作するに手間はかかるが カッコ良く仕上げることも可能

次には、デメリットを考えていこう。デメリットは主に2つ。1つが、加工に手間がかかること。つまりはコストがかさむのだ。2つ目は、純正と見た目が変わること。内張りパネルを加工するのはNG、というのなら、『アウター』という選択肢は消える。
しかしながら、『アウターバッフル』のほうがむしろカッコ良い、と考えるユーザーは多い。スピーカーが見えること自体がカッコ良いし、周辺のパネルもワンオフして流線型デザインとしたり、アクリルやLEDでドレスアップしても面白い。仕上げる生地に高級素材を使って、ハイグレードなフィニッシュを実行する、という手もある。
音も良くなってかつ、自分だけのデザインを手にできるのだから、魅力は大きいと思うのだが、いかがだろうか。
さて最後に、『アウターバッフル』の難しさについても触れておきたい。詰めと誤ると、メリットを十分に発揮できない、ということもなくはないのだ。難しさの最たるポイントは、スピーカーの裏側から発せられる音エネルギーの処理だ。スピーカーを立ち上げる土台部分が筒状に長めになるので、その中の音エネルギーをうまく逃がさないと、振動板の動きにストレスを与えかねないのである。もっとも各カーオーディオ・プロショップは、それについてのノウハウを持っているので、そこのところはご心配なきように。

 

 

ハードルはけっして低くない しかし、トライする価値は高い!

なお、『アウターバッフル』にする際、スピーカーに角度を付けて取り付けする、というお店も増えてきた。これについては各店で考え方が異なる部分でもある。角度を付けないほうが、裏側の音エネルギーの処理がしやすい、土台を安定させやすい等のメリットもあるからだ。ただ、そのあたりをクリアにできた場合、リスナーに届けられる情報量を上げることは可能となる。
さて、とにもかくに『アウターバッフル』は高度なインストール方法であり、ハードルはけっして低くはないが、音的なメリットが大きいことは、疑いようにない事実である。挑戦する価値は高い。

 

[ライター:太田祥三]

 

 
 
 
 
 

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