実践的カーオーディオ講座Part.2『フロントスピーカー』のインストール学大研究!その1

October 24, 2017

カーオーディオのスピーカーは、ただ取り付けただけでは性能を発揮できない。そこにはさまざまなノウハウがあるのだ。それらがどのようなものなのかを知ると、カーオーディオ・ライフはさらに深みを増してくる。そのすべてを4回にギュッと凝縮して解説する!

 

Section 01 「デッドニング」って何?

『デッドニング』という言葉を耳にしたことがあるだろうか。これを行うことで、スピーカーの性能を引き出せるようになるのだが、それは何故なのか、どんなことをするといいのか…。その仕組みをじっくりと考察していく。

 

 

ドアの音響的コンディションを整える必要がある?

まずはホームオーディオのスピーカーをイメージしていただきたい。それらはすべて、箱(エンクロージャー)にスピーカーユニットが装着された状態で完成品となっている。スピーカーメーカーは、その箱の部分にもいろいろな施し、コストもかけて、スピーカーを開発している。それに対してカーオーディオでは、「スピーカーユニット」だけで販売されている。つまり、その状態ではまだ、スピーカーとしては”半完成品”なのだ。
さて、カーオーディオにおいては、ドアのスピーカーについてはドアが箱の役目を負う。しかし…。クルマはあくまで”走る道具”である。ドアには”オーディオ機器”としての工夫が、ほとんど盛り込まれていない…。
であるので、クルマの中で良い音を聴きたいと思ったら、ドア内部の”音響的なコンディション”を改善させる必要がある。その作業のことが、一般的に『デッドニング』と呼ばれているのだ。

 

 

スピーカーの裏側から出る音はドア内部で様々な悪さをしでかす…

さて、『デッドニング』で行われる主なメニューは右上にまとめたとおりだ。スピーカーは、振動板を前後に動かすことで空気を震わせ、音を伝えているのだが、スピーカーの裏側でも同じように音を発している。その音が、ドア内部で様々な悪さをしているので、上に挙げたような作業が必要となるのだ。
②と③について、補足しておこう。まずは②から。
スピーカーの裏側から発せられる音は、耳で聞く分には表側の音と同じなのだが、波形としては真逆だ。その音が表側の音と混ざり合うと、”キャンセリング”という打ち消し合いが起こってしまう。であるので、裏側の音を封じ込める必要があるのだ。
そして③は、裏側の音がスピーカーに跳ね返るのを防ぐための作業である。跳ね返ってスピーカーに当たると、振動版の動きにストレスを与えることとなる。それを防ぐために、裏側の音を吸収したり拡散させる。
スピーカーを市販品に換える場合は、『デッドニング』作業はセットだと考えよう。これを行わずして、スピーカーの性能は発揮されない。そのことを、くれぐれもお忘れなきように。

 

 

[ライター:太田祥三]

 

 
 
 
 
 

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