実践的カーオーディオ講座Part.1『初めてのカーオーディオ』攻略法、完全解説!!その3

October 24, 2017

当特集の最後は、”DSP”を用いた”ハイエンドシステム”について解説していく。初めてのカーオーディオとしてはハードルが高いが、最初から一気にここを目指すというのもアリだ。もちろん、将来的な目標にしていただいてもいい。というわけで、まずはこれが何であるかを、知っておくベシ。

 

Plan03 ”DSP”を使って”ハイエンドシステム”を構築”

その1 「マルチアンプシステム」って何!?

「タイムアライメント」機能で”ステレオ”の利点を享受可能に

現在のカーオーディオにおいて必需となっている”DSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)”。これを用いて「マルチアンプシステム」を構築すると、それまでのサウンドシステムが奏でていた音の質を、一変させることが可能となる。その最たる理由は、「タイムアライメント」という機能を詳細に適用させることができるようになるからだ。
というわけで、「マルチアンプシステム」が何なのかを説明する前に、「タイムアライメント」という機能について解説しておこう。これをひと言でいうならば、「すべてのスピーカーから等距離の場所にいるかのような状況を擬似的に作り出せる機能」ということになる。なぜこのような機能が必要なのかというと・・・。
クルマの中では、好きな音楽を大きな音で思い切り楽しむことができるので、その意味ではリスニングルームとして最適な場所であるのだが、”ステレオ再生”を楽しむ場所としては、条件があまりよろしくない。
”ステレオ”とは、音楽を左右のchに分けて録音し、それを左右のスピーカーで再生することによって、演奏している状況を立体的に再現しようとするものである。そしてこれを正しく運用するためには、1つの前提条件が存在している。それは「左右のスピーカーから等距離の場所で聴く」というものだ。カーオーディオでは、この前提条件が成り立たない・・・。

 

 

「マルチアンプシステム」により 詳細な音調整が可能になる!

それに対処できる機能が「タイムアライメント」というわけだ。これを用いることで、近くにあるスピーカーが発する音に”遅延”をかけられる。結果、”ステレオイメージ”を正しく感じ取るための前提条件をクリアできる、というわけなのだ。
なお、カーオーディオにおいては、ツィーターとミッドウーファーもそれぞれ異なった場所に装着されることになる。であるので、「タイムアライメント」を理想的に運用しようと思ったら、左右のツィーター、ミッドウーファーーそれぞれを個別にコントロールしなくてはならない。そのためには、”DSP”の内部であらかじめ音楽信号の帯域分割を行って、ステレオ(2ch)の音楽信号を、4ch分にわける必要がある。その上で各ch個別に「タイムアライメント」を適用させるのだ。こうしようとしたとき、信号を増幅させるパワーアンプも4ch分が必要となる。
このように、スピーカーユニット1つに対して、パワーアンプの1chをあてがうシステムの構築をしなくてはならないのだ。かくしてこの、スピーカー1つ1つにパワーアンプの1chをあてがうシステムが、「マルチアンプシステム」、というわけなのだ。
当システムを組み、「タイムアライメント」を詳細に運用すると、スピーカーから音が鳴っている、、という印象は消え、ただ目の前にサウンドステージが広がる、という聴こえ方となる。ボーカルがすっと前に立ち、各楽器の音がそれぞれのポジションから聴こえてくるようになるのだ。
リアルな”ステレオイメージ”を感じ取れるようなカーオーディオシステムを手にしたいと思ったら、いつかは”DSP”を導入し、”マルチアンプシステム”の構築にトライしよう。ぜひ♪

 

 

その2 「フロント3ウェイシステム」にトライ!

「フロント3ウェイシステム」システムはいろいろな面でハードルが高い・・・

いよいよ当特集もこのページで最後となる。最後は、「フロント3ウェイシステム」について解説していく。
現代のカーオーディオでは、主流派あくまでも「フロント2ウェイ」であるのだが、ハイエンドカーオーディオの世界ではむしろ、「フロント3ウェイ」が主流となっている。特に、サウンドコンテストへの出場を目指すクルマでは、大半が「フロント3ウェイシステム」が採用されている。 このような状況となっている理由は、「フロント3ウェイ」のほうが高音質を実現できる可能性が高いから、である。
だがしかし、「3ウェイ」を上手に運用するのは楽ではない・・・。 「フロント3ウェイ」とは、サブウーファーが受け持つ帯域よりも上の帯域を、ツィーター、ミッドレンジ(スコーカー)、ミッドウーファーの3つのユニットに役割分担させるスピーカーレイアウトである。
「フロント2ウェイ」がその帯域の再生を2つのユニットでまかなうのに対して、1つスピーカーユニットが増えるわけなので、まず、コントロールする難易度が上がる。インストールにおいても取り付けスペースを確保する大変さが加わる。さらには、それを「マルチアンプシステム」でドライブすることとなるで、パワーアンプの必要ch数も増え、必要なケーブル本数も多くなり、もろもろコストが膨らんでいく。
「フロント3ウェイ」は、すべてにおいてハードルが高いのだ。 だけれども、すべてのハードルを乗り越えたとき、「フロント3ウェイ」は大きな利得を発揮する。どのようなメリットがあるのかというと・・・。

 

 

コントロールが上手くいくとより高音質が狙える「3ウェイ」!

利点は主に2つある。
まず1つ目は、「音楽の中心的な部分の音(中域の音)を、目の前のスピーカーから聴けること」だ。「フロント2ウェイ」では、中域の音もドアのスピーカーが担当することとなるのだが、その音をスピーカーと正対して聴けないということは、情報量をロスする可能性があり、また、音が下にたまりやすいといった弊害も、多少なりとも引き起こさせる。しかし「フロント3ウェイ」では、そういった心配をなくせるのだ。
利点の2つ目は、「ツィーターとミッドウーファーの担当範囲を減らすことができること」だ。担当が減るというのは、負担が減るということであり、負担が少なければ、得意な仕事に集中できる。結果、音が良くなる、というわけなのだ。 これらの利点を最大限活用できると、情報量、解像度が上がり、音楽がよりリアルに、豊かに響いていく。
さて、「フロント3ウェイ」を組もうと思ったら、当然ながら、「3ウェイスピーカー」を用意する必要が出てくる。なお「3ウェイスピーカー」は基本的に、同一メーカーの同一シリーズで構成すべきだ。各スピーカーで音色傾向が異なると、サウンドの一体感を得難くなってしまうからだ。
とはいえ、メーカーの異なるユニットで「3ウェイ」を組んではいけない、という決まりはない。もしも使っている「2ウェイ」スピーカーにミッドレンジの設定がなかったら、タイプの近い製品を探して組み合わせてみてもいいだろう。

さて、当特集はいかがだっただろうか。カーオーディオの始め方はさまざまある。どこから手を付けるかは貴方のお好み次第だ。 なお、いきなり上級システムに挑戦するのも良いのだが、コツコツとシステムアップしていくのも悪くない。そうしていくと都度、音の変化を楽しめるし、カーオーディオを長くじっくりと深めていくことができる。ご参考にしていただけたら幸いだ。

 

 

[ライター:太田祥三]

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