“カーオーディオ生活”の始め方を完全レクチャー!!  第3章Part2“プロセッサー”の「タイプ」と「選び方」をレクチャー

July 31, 2020

“カーオーディオシステムの“ステップアップ術”を徹底解説!

第3章 “プロセッサー”を導入して、音の“聴こえ方”を変える!!

Part2 “プロセッサー”の「タイプ」と「選び方」をレクチャー

前回は、カーオーディオにおいて「プロセッサー」が必要となる理由と、これによって可能になることを解説しました。それに引き続いて今回は、「タイプ」「選び方」について説明していこうと思います。

■「メインユニット」を換えたいと思っているのなら、「メインユニット内蔵タイプ」が狙い目!

「プロセッサー」にはタイプ違いが存在しています。前回の記事の中で説明したとおり、まず大きくは「アナログタイプ」と「デジタルタイプ」、この2つに分類できます。そしてどちらにもそれぞれ良さがあるのですが、より詳細なセッティングが行えることなどが好感されて、昨今は「デジタルタイプ」が使われることが多くなりました。なのでここでは主に、「デジタルタイプ」の「プロセッサー=デジタル・シグナル・プロセッサー(DSP)」について解説していきます。

さて、「DSP」もさらに3タイプに分類できます。1つ目が「メインユニット内蔵タイプ」、2つ目が「パワーアンプ内蔵DSP」、3つ目が「単体DSP」です。

まず1つ目の「メインユニット内蔵タイプ」とは、ハイエンドAV一体型ナビやハイエンドメインユニットのことを指します。これらには高機能な「DSP」が搭載されていて、これを導入すれば即、詳細なサウンドチューニングを行える本格システムを構築できます。

これが選ばれるのは以下のようなケースです。使用中のオーディオメインユニットを交換でき、しかもその使い心地に不満を持っている場合です。もしもそうであるならば、そのメインユニットをハイエンドユニットに交換することで一気にシステムの高性能化が図れます。

しかし、メインユニットを換える予定がない、むしろ換えたくない、あるいは換えたくても換えられない、という場合には、その他の2つが候補になります。

■「パワーアンプ内蔵DSP」を使えば、効率的&低コストで高度なシステムを完成できる!

次いでは、その他の2つについて詳しく解説していきます。まずは「パワーアンプ内蔵DSP」から。これはその名のとおり、「パワーアンプ」と「DSP」とが一体化した製品です。なぜにこのような仕様になっているのかと言うと…。答は以下のとおりです。カーオーディオシステムにおいては「DSP」の後段に「パワーアンプ」が必要となります。なぜなら「パワーアンプ」で増幅される前の微細な状態でないと音楽信号の制御が行えないからです。なので、システムに「DSP」を導入するのなら、その下流に「パワーアンプ」を別途設けなくてはなりません。そうであるならば最初から一体化させてしまおう、そのようなコンセプトのもとこれは作られています。

※【左】μ-Dimension DSP-680AMP、【中】GROUNDZERO GZDSP4.80A-PRO、【右】JL AUDIO  VX800/8i

そしてボディが1つですから、インストール性も高いです。小型化が図られたモデルを選べば、シート下への取り付けも容易です。もろもろを効率的にそして低コストで、「DSP」を用いた高度なカーオーディオシステムを完成できます。

ところで、交換できないタイプの純正メインユニットには外部音声出力が備えられていない場合が多いのですが、「パワーアンプ内蔵DSP」はそのような機器との接続が行えるように「ハイレベルインプット」を備えています。「ハイレベルインプット」とは、スピーカー出力(メインユニットの内蔵パワーアンプで増幅された後の信号)を接続するためのものです。そして当入力端子から入力された信号は一旦微弱な状態に変換され、その上でサウンド制御が行われます。これを活用することで、純正メインユニットをソースユニットとしてばっちり活用できるようになる、というわけなのです。

■チョイスの際にチェックすべきは「システム構築力」!?

続いては「単体DSP」について解説していきます。

当タイプは、他のタイプと比べて導入のハードルは高めです。別途「パワーアンプ」が必要となるからです。しかし、「自由にシステムを構成する」という楽しみを味わえます。ここが最大のメリットです。

ちなみにひと昔前までは「単体DSP」には高級なモデルが多く、とことん高音質を追求するためのユニットという色彩が濃かったのですが、近年は手頃な「単体DSP」も続々と登場しています。このようなタイプであれば、組み合わせる「パワーアンプ」にもリーズナブルなモデルを選べぶことで総予算を抑制できます。「単体DSP」は必ずしも“高嶺の花”ではなくなってきました(「単体DSP」も「ハイレベルインプット」を装備)。

※メインユニットとアンプの間に接続する単体DSPも近年はコンパクト化が進んでいる

さて、「パワーアンプ内蔵DSP」「単体DSP」、このどちらかにしようと考えたとき、何を基準にチョイスすると良いのでしょうか。答はズバリ、「組みたいシステムを構築できる仕様になっているか否か」、です。

「単体DSP」も「パワーアンプ内蔵DSP」も、コントロール機能には大きな違いはありません。高級機になるほどきめ細やかな設定が可能にはなるものの、そうでなくても実用レベルで不足を感じることはないはずです。

しかしリーズナブルなモデルでは仕様的にある程度の合理化が図られていたりもします。コントロールできるch数が少なくなったり、「パワーアンプ内蔵DSP」の場合には内蔵する「パワーアンプ」のch数が絞られたり。スタンダードなシステムを組むには支障がなくとも、マニアックなシステムの構築は難しい場合が有り得ます。

将来的にどこまでのシステムを組みたいか、それを踏まえて望みに叶う仕様を備えているモデルを選びましょう。

「DSP」を導入すると、音楽の聴こえ方がガラリと変わります。使ってみる価値は実に大きいです。ご参考にしてください。

※DSPの内部調整はパソコンやタブレットを用いて行うタイプが主流だが知識と経験が必要となるのでショップへの依頼を推奨いたします

 

 

 
 
 
 
 

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