ついに第3章 へ“カーオーディオ生活”の始め方を完全レクチャー!! Part1「“プロセッサーの“導入”を解説!」

July 27, 2020

“カーオーディオシステムの“ステップアップ術”を徹底解説!

第3章 “プロセッサー”を導入して、音の“聴こえ方”を変える!!

Part1 “プロセッサー”が必要な理由と効能を解説!

「クルマの中で良い音を楽しみたい」と考える方々に、「スピーカー交換」「サブウーファーの導入」をお薦めしてきましたが、それらの良さをさらに引き出す方法があることをご存知でしょうか。今回からはそのうちの1つ、「プロセッサー」の導入について解説していこうと思います。さて、「プロセッサー」とは何なのかというと…。

■「プロセッサー」には2タイプがある。1つがアナログタイプでもう1つがデジタルタイプ!

最初に「プロセッサー」とは何なのかを説明したいと思います。「プロセッサー」とは、サウンド制御を行うためのユニットです。ただし、ひと口に「プロセッサー」とは言いつつも、タイプ違いがさまざまあります。まずは大きく2タイプに分類できます。1つがアナログタイプで、もう1つがデジタルタイプです。ちなみに、デジタルタイプの「プロセッサー」は、「DSP」とも呼ばれています。

DSP」とは、「デジタル・シグナル・プロセッサー」の頭文字を取った略称です。そして現代カーオーディオでは、「DSP」が頻繁に用いられるようになりました。今や、「プロセッサー」と言えばすなわち「DSP」のことを指すと言って良いほどです。

ところで「DSP」には、主に3つの機能が搭載されています。「クロスオーバー」、「イコライザー」、「タイムアライメント」、以上です。そしてこのうちの「タイムアライメント」は、デジタルタイプの「プロセッサー」だからこそ実現できた機能です。 というわけで、「DSP」の普及が進んだのは、この「タイムアライメント」が支持されたからこそでもあります。それほど当機能は便利です。そして他の機能も、デジタルだからこそより緻密な運用が可能となりました。

こうして「DSP」は、現代カーオーディオにおいてなくてはならない存在となったのです。

■スピーカーの取り付け状況に即して、ベストな「クロスオーバー」設定を模索!

続いては、「DSP」に搭載されている各機能の役割を解説していきたいと思います。クルマの中は実は、音響的なコンディションがあまりよろしくありません。好きな音楽を好みの音量で聴けるという点ではリスニングルームとして最適なのですが、音響的には不利要因がいくつかあります。しかし「プロセッサー」を使うとそれらへの対処が可能となります。

では先に挙げた3つの機能が、それぞれどのように車内の音響的不利要因に対処できるのかを、1つ1つ解説していきたいと思います。まずは「クロスオーバー」から。

これは、音楽信号の帯域分割(クロスオーバー)を行うための機能です。

ところでカー用のスピーカーには多くの場合、「パッシブクロスオーバーネットワーク」なるパーツが付属されています。これもまさしく音楽信号の帯域分割を行うためのパーツです。そしてスピーカーメーカーは、その信号の分割の仕方も計算しながらスピーカーを設計しています。つまり「パッシブクロスオーバーネットワーク」を使って鳴らす音こそが、メーカーが意図したサウンドというわけなのです。

しかし、カーオーディオではスピーカーの取り付け方が車種ごと、そしてユーザーごとで変化します。設置の条件が異なると鳴り方も変わってきます。となると、「クロスオーバー」の値の見直しも必要となってきます。ゆえに「プロセッサー」に搭載された「クロスオーバー」が活躍するのです。当機能を使うと、取り付け条件に応じたベストな帯域分割のさせ方、つまりは“鳴らし方”を都度模索できるようになるのです。

■「イコライザー」では、周波数特性の乱れを正せる!

続いては「イコライザー」について解説します。「イコライザー」とは音響特性の乱れを補正するための機能です。ちなみに「イコライズ」という単語には、「等しくする」とか「平等にする」という意味があります。「イコライザー」もまさしく、音源と“同じ”音にする、あるいは特性を“等しくする”ための機能です。

というのも、クルマの中は狭いがゆえに音響特性が乱れがちです。ガラスやパネルに音が反射し特定の周波数の音だけが増幅されたりキャンセリングを起こして消失したりしてしまいます。さらにはシートで吸収される音も有り得ます。しかし「イコライザー」を駆使すれば、そういった特性の乱れの修正が可能となるのです。

もう1つの「タイムアライメント」の役割は以下のとおりです。当機能は、スピーカーの発音タイミングをコントロールするための機能です。クルマの中では各スピーカーから等距離の場所に視聴位置を取ることができません。このことは実は、ステレオ効果を感じ取る障害となり得ます。「左右のチャンネルに分けて録音した音を左右のスピーカーから流すことにより音楽を立体的に感じ取れるようにする」のがステレオなのですが、その原理を成り立たせるためには左右のスピーカーから等距離の場所にリスニングポジションを取る必要があるのです。

しかし「タイムアライメント」を活用すると、各スピーカーの発音タイミングを調整できます。近くにあるスピーカーに対しては発音タイミングに遅延を掛けて、あたかもすべてのスピーカーから等距離の場所にいるかのような状況を作り出す、というわけなのです。

※DSPの内部調整はパソコンやタブレットを用いて行うタイプが主流だが知識と経験が必要となるのでショップへの依頼が推奨

以上が「プロセッサー」の役割です。これを踏まえて次回は、「プロセッサー」のタイプ解説や導入方法について説明していきます。続編もぜひお読みください。

 

 
 
 
 
 

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