“カーオーディオ生活”の始め方を完全レクチャー!! 第1章 Part3「“取り付け”で音が変わる!?」

June 17, 2020

第1章「初めてのスピーカー交換」その実践方法を詳細解説!
Part3「“取り付け”で音が変わる!?」

音楽好きなドライバー諸氏に、「スピーカー交換」を熱烈にお薦めしている当特集。その第3回目となる今回は、交換するスピーカーの性能を一層引き出すための“コツ”をご紹介していきます。

■スピーカーを取り付けるには「インナーバッフル」の用意がマスト!?

結論から入ります。「スピーカー交換」を実行する際には、“取り付け”作業に手間を掛ければ掛けるほどより良い結果が得られます。

その理由は以下のとおりです。まずはホームオーディオのスピーカーをイメージしてください。それは、スピーカーユニットが箱に装着された状態で完成形となっています。一方カー用のスピーカーは、スピーカーユニットが単体で売られています。つまり、その状態ではまだ半完成品です。クルマに取り付けて初めて、スピーカーとして完成します。

ところが…。「ミッドウーファー(ドアスピーカー)」が取り付けられることとなるドアは、スピーカーとしては設計されていません。ゆえに、何の手間も掛けずに取り付けてしまうと、残念ながらスピーカーとしての完成度は低いままです。

では、スピーカーとしての完成度を上げるためには何をすれば良いのでしょうか。やるべきことは、主には2点に集約できます。

まずは、「インナーバッフル」の用意がマストとなります。「インナーバッフル」とはいわば“取り付け用スペーサー”なのですが、音響パーツとしての役割も果たします。役割は主には3つ。1つ目は、「スピーカーの足場を固める役割」です。これを用いることでスピーカーは踏ん張りが効くようになるので、パワーをロスせず仕事を行えます。

■「インナーバッフル」には鉄板の共振を抑える役割とスピーカーを立ち上げる役割もある!

2つ目は、「鉄板の共振を抑える役割」です。これを用いれば、スピーカーの振動板が動くことで発生する振動が鉄板に伝わりにくくなるのです。振動が伝わると鉄板が共振して異音を発し音を濁しますが、それを防止できるのです。

そして3つ目は「スピーカーを立ち上げる役割」です。もしもスピーカーを鉄板に直付けすると、スピーカーの奥側が降りてくる窓ガラスに当たる可能性が高まります。しかし「インナーバッフル」を用いればスピーカーを立ち上げられるので、ある程度の厚みのあるスピーカーでも取り付け可能となるのです。

なお、「インナーバッフル」には市販品も存在しています。なので取り付けコストを抑えたい場合にはこれを使うと良いのですが、音のことを考えるのであれば“ワンオフ”したものを使った方が有利です。“カーオーディオ・プロショップ”は「インナーバッフル」を車種ごと、そして取り付けるスピーカーごとでベストな仕様で作ってくれます。結果、役割を果たす能力が高まり高音質化が果たせます。かつ、“ワンオフ”すれば耐久性も高められます。

そして、スピーカーとしての完成度を上げるためのもう1つの作業とは…。それは、“デッドニング”です。これは、「ドア内部の音響的なコンディションを整えるための作業」だと理解してください。先述したとおり、クルマのドアは音響製品としては設計されていませんが、“デッドニング”を行えばドアのスピーカーとしての完成度を上げていけます。音響的に不利な要因を1つ1つ潰していけるのです。

 

■「ツイーター」はAピラーやドアミラー裏に埋め込むと、音的に有利!

高音を再生する「ツイーター」も、“取り付け”に手を掛けるほど性能が引き出されます。コストを抑えたい場合には、純正位置へ埋め込んだり(可能なモデルの場合)、マウントを用いてダッシュボードの上にポンと置くように取り付ければ良いのですが、音を良くしたいと思ったら、Aピラーやドアミラー裏に埋め込むやり方も検討しましょう。

【※】①②ダッシュボード奥、ドアミラー裏の純正ツイーターの位置に ③スピーカー付属のマウントを用いた取付 ④ミラー裏に加工して取付 ⑤Aピラーに加工して取付

このような取り付け方が音的なアドバンテージを発揮する理由は主には3つあります。1つは「高さを稼げるから」。ある程度高いところに付けられるのでサウンドステージを引き上げられます。2つ目は「反射の影響を少なくできるから」。例えば純正位置がダッシュボードの奥だったりすると、ツイーターから放たれた音がガラスにぶつかるなどして音響特性が乱れがちとなりますが、Aピラーやドアミラー裏に埋め込むと反射の影響を減らせます。そして3つ目は「角度設定を自在に行えるから」です。ベストな鳴り方のする取り付け角度を選べるのです。

なお“デッドニング”や“ツイーターの埋め込み”は、後々に改めて行っても構いません。まずは予算の範囲内で最小限の内容に留め、後から手を加えていっても楽しめます。音が良くなる感動を再び味わえますので、むしろお得かもしれません。

せっかくスピーカーをより良いものに交換するのですから、その性能を十二分に引き出せないのはもったいないです。“取り付け”に手を掛ければ、そうはなりません。可能な限り手間を掛け、「スピーカー交換」をする楽しさを最大限満喫してください♪

 

 
 
 
 
 

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