“カーオーディオ生活”の始め方を完全レクチャー!! 第1章 PART2「スピーカーの選び方について」
June 2, 2020
第1章「初めてのスピーカー交換」その実践方法を詳細解説!
Part2「スピーカーの選び方について」
「ドライブには音楽が欠かせない」、そう考えているドライバーの方々に、「スピーカー交換」を強くお薦めしている当連載。まず前回は、「スピーカーを交換すると音が良くなる理由」を説明しました。それに引き続き今回は、「スピーカーの選び方」を解説していこうと思います。
■市販カー用スピーカーには、“タイプ違い”が存在している!?
まずは、カー用の市販スピーカーには「タイプ違い」があることから説明します。大きくは2つに分けられます。1つが「フルレンジタイプ」で、もう1つが「セパレートタイプ」です。前者は、左右の1つずつのスピーカーユニットだけで低音から高音までの全帯域を再生するもので、後者は、左右ともに複数のユニットを用いてそれぞれに“役割分担”をさせて音楽を再生しようとするものです。なおこれにも、「セパレート2ウェイ」と「セパレート3ウェイ」の2タイプが存在しています。
ところで…。カー用として市販されている「フルレンジスピーカー」の多くは実は、よくよく見ると「2ウェイ」もしくは「3ウェイ」です。中低音を担当する「ミッドウーファー」の同軸上に高音再生を担当する「ツイーター」が、またはそれにプラスして「スーパーツイーター」とが装着されています。しかしそれらが一体化されていて1つのスピーカーに見えるので「フルレンジタイプ」と呼ばれている、というわけなのです。なおこれは「コアキシャルスピーカー」とも呼ばれています(コアキシャルとは“同軸の”を意味します)。
※左より純正スピーカー(フルレンジスピーカー)、セパレート2ウェイスピーカー、コアキシャルスピーカー(フルレンジスピーカー)
■「セパレート2ウェイスピーカー」を使うと、サウンドが目の前から聴こえてくる!
ちなみに、3タイプあるうちの中でもっとも人気が高いのはズバリ、「セパレート2ウェイスピーカー」です。その主な理由は、「音楽が目の前から聴こえてくるから」です。そのようになるメカニズムは以下のとおりです。
クルマの場合、中低音再生を担当する「ミッドウーファー」は、基本的にはドアに取り付けられることとなるのですが、高音再生を担当する「ツイーター」は小型なので、ダッシュボードの上とか、場合によってはAピラーやドアミラー裏に埋め込めます。
※左画像・・純正スピーカーの位置にそのままにインストールに(トレードイン)。右画像・・ピラーにツイーター、ドアにスピーカーをカスタムインストール
ところで高音は、真っ直ぐに進もうとする性質が強いので音の出所も分かりやすく、逆に低音は真っ直ぐに進もうとする性質が弱いので音の出所も分かりづらいです。で、「ツイーター」から放たれる高音が高い位置から聴こえてくると…。なんと中低音もそれにつられて、高い位置から聴こえてくるように錯覚します。ゆえに「サウンド全体が目の前から聴こえてくるようになる」というわけなのです。この点が特に好感され、「セパレート2ウェイスピーカー」は「フルレンジスピーカー」よりも人気が高くなっているのです。結果、製品数も格段に多いです。これに狙いを定めれば、選択肢がぐっと広がります。
対して「フルレンジスピーカー」には、「取り付け性が高い」ことと「音の出所が1箇所なのでサウンドがまとまりやすい」という利点が備えられています。それらを重視するならば、これを選ぶのもアリです。覚えておきましょう。
■「スピーカー交換」がしたくなったら、今すぐ“カーオーディオ・プロショップ”へ♪
もう1つの「セパレート3ウェイスピーカー」についても補足しておきましょう。これは、“役割分担”を細かくできるので音的には有利です。しかしスピーカーユニットの数が増えるので取り付けが難しくなり、かつサウンド制御の難易度も上がります。ですのでこちらは、“上級者向け”のスピーカーだと理解しましょう。“初めてのスピーカー”としては不向きです。
※3ウェイの場合高域はツイーター、中域はスコーカー(ミッドレンジ)、低域はミッドウーファーとなり、取付加工及びサウンドチューニングの必要性が高まる場合が殆ど。
さて、「セパレート2ウェイスピーカー」がもっとも人気が高く、かつ選択肢も多いわけですが、その中から自分に向いたモデルを選ぶにはどうすれば良いのかというと…。答は「聴いて選ぶ」、これが早道です。そしてそれを実行するためには、“カーオーディオ・プロショップ”に足を運ぶのが最善策。そこに行けば製品選びのヒントがたくさん見つかるはずです。
なお、カー用の市販スピーカーは1万円台のモデルから存在していますが、予算が許すのであれば「1ランク上のモデルを選ぶ」と、得られる満足度も高まります。理由は、「低価格帯の製品では特に価格差による性能差が小さくないから」です。1万5000円の製品と3万円の製品とでは価格差は倍。そして6万円の製品との差は4倍にまで広がります。この差はダテではありません。参考にしてください。
【スピーカータイプ解説・まとめ】
次回は、「スピーカー交換」をする際に必要となる「取り付け作業」の中身について解説していく予定です。ご期待ください♪